この恋に名前をつけるなら
一度は変わってくれると信じたけど、変わる気配なんて全くない。


それどころか、酷くなる一方。



逃げる場所なんてない私は、苦痛で仕方なかった。




『た・す・け・て』たった四文字の言葉が長く感じる。



誰かに助けてもらいたかった……




助けてもらいたかったけど、そんな勇気、私になかった。



北斗は私の携帯電話の中身を、よくチェックするようになった。


誰かと連絡してないか、男の連絡先が入っていないかと怪しむばかり。



胃にストレスを抱えるようになったのは、この辺だっただろうか。


止まらない腹痛、そして、吐き気。



さらには目眩……



治るどころか増えていく症状。



その症状を見て心配してくれるけど、心配するのは、たった一瞬だけ。



辛かった……



「お前、バレないように消しタヨなァ?」



一向に信じてくれない北斗に嫌気をさす。



私は口数が減っていった。



そして、体重は痩せていき、アザが増えるばかり。


生きていても楽しくない。


私の心はボロボロだった。
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