この恋に名前をつけるなら
北斗はその後、結空にやったことが自分に返ってきた。
暴力の痛みが分かったのだろう。
北斗はすぐに結空と別れた。
まるで、何かに怯え、逃げるように。
それは、瞬太に怯えて、県外へ逃げたらしい。
今どこで何をしてるのか、誰も知らない。
というより、興味がなかった。
私はやっとDVから解放された。
解放されたけど、男性への恐怖心は消えない。
むしろ、忘れたいのに毎日、思い出してしまう。
この傷は果たして、癒えるのだろうか。不安で仕方なかった。
そして、私は仁くんのことを忘れたはずなのに、仁くんではないと駄目になっていく。
仁くんは絶対に暴力なんてしない。
私を大切にしてくれた。
私は今でも仁のことが大好きだった。