この恋に名前をつけるなら
また、あの日と一緒。



入れ違いだった。



私は幸せになれないの?


いや、違うね。



幸せになんかなってはいけないのかな?




また逢うことが出来ず、

惨めな自分をそう思うことしかできなかった。



あの日、

逢えなかった日に眺めた夜空をまた思い出す。


まったく一緒だった。


悲しい気持ちなのに、

夜空の星は何でこんなに綺麗なのだろうか?



また、

一人で夜空の星を眺めながら、

仁とよくカラオケで歌った思い出の曲を口ずさむ。



あの頃の記憶を思い返しながら、

私の目から一粒の涙が溢れ落ちる。



逢いたいよ。


もう一度だけでいいから。


仁くんに……



今でも大好きだよ。


忘れることなんてできない。



嫌いになんてなれない。



ただキミのことばかり……



考えてしまうよ。
 


好きが止まらない。


好きだ好きだ大好きだ……




口ずさむ歌は哀哭《あいこく》し、

なかなか上手く歌えない。



そして、次第に歌うのを辞めていた。
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