この恋に名前をつけるなら
-終章-

結婚


2021年6月6日、結婚式場。


誰もいない受付の近くに、たくさんの写真が貼られている。


仁と結空の思い出が詰まった写真は、

見る側も心がほっこりするようなものだった。




あれから、

仁と結空は一緒に暮らし、

二人の時間を大事にする。


高校生の時では行けなかった所に、

たくさん行った。



春には皆んなで花見。


夏は海に行ったり、

バーベキューをしたり、

花火大会にも行った。


好きなアーティストのライブにも行ったし、冬には鍋パーティーもした。



四年もの時間を無駄にしたのだから、

取り返すぐらい幸せな日々を送っていた。


たくさん大好きなカラオケにも行ったし、

たくさんデートもした。



受付近くに貼られた写真は、

幸せそうにする二人で埋め尽くされていた。


遥ちゃんの子どもを抱っこする俺と結空の写真。


抱っこするのに慣れない俺を見て、

結空と遥は笑っていた。



他にも海斗と中島さん達で鍋パーティしたり、美優ちゃんと瞬太くん達でバーベキューを楽しんだりした写真。


お互いの友達と仲良くなり、

楽しそうにしていた。



中には、こんな写真も……












結空の母親である千里と仲良く三人で撮った写真。


あれから、お母さんは結空と俺に謝った。



何度も何度も……





自分がしてきたこと、

母親になれなかったことをたくさん謝ってくれた。


最初、俺と結空もお母さんにぎこちなかったが、時間が解決してくれる。



今では、何でも言えるぐらい仲良しになっていた。
< 159 / 166 >

この作品をシェア

pagetop