この恋に名前をつけるなら
-終章-
結婚
2021年6月6日、結婚式場。
誰もいない受付の近くに、たくさんの写真が貼られている。
仁と結空の思い出が詰まった写真は、
見る側も心がほっこりするようなものだった。
あれから、
仁と結空は一緒に暮らし、
二人の時間を大事にする。
高校生の時では行けなかった所に、
たくさん行った。
春には皆んなで花見。
夏は海に行ったり、
バーベキューをしたり、
花火大会にも行った。
好きなアーティストのライブにも行ったし、冬には鍋パーティーもした。
四年もの時間を無駄にしたのだから、
取り返すぐらい幸せな日々を送っていた。
たくさん大好きなカラオケにも行ったし、
たくさんデートもした。
受付近くに貼られた写真は、
幸せそうにする二人で埋め尽くされていた。
遥ちゃんの子どもを抱っこする俺と結空の写真。
抱っこするのに慣れない俺を見て、
結空と遥は笑っていた。
他にも海斗と中島さん達で鍋パーティしたり、美優ちゃんと瞬太くん達でバーベキューを楽しんだりした写真。
お互いの友達と仲良くなり、
楽しそうにしていた。
中には、こんな写真も……
結空の母親である千里と仲良く三人で撮った写真。
あれから、お母さんは結空と俺に謝った。
何度も何度も……
自分がしてきたこと、
母親になれなかったことをたくさん謝ってくれた。
最初、俺と結空もお母さんにぎこちなかったが、時間が解決してくれる。
今では、何でも言えるぐらい仲良しになっていた。