この恋に名前をつけるなら

永遠の愛

その後、

二人は幸せな高校生活を送っていた。



あれは、体育館倉庫でのこと。


二人は体育館倉庫で、片付けをしていた。


練習が終わり、

体育館の中にはバスケ部員達がちらほら。



「もう、しまうのない?」


私はボールをカゴの中に入れながら、

仁くんに尋ねた。



「うん。もうないかな」


仁くんはいつもと違い、そわそわしていた。


辺りを見渡しながら落ち着かない様子。


私が体育館倉庫から出ようとした時だった。



仁くんは私の手を引っ張り、

自分の方へと引き寄せる。


仁くんはゆっくりと顔を近づけ、

私と唇を重ねた。



静かな体育館の倉庫の中、

二人を邪魔する者はいない。


初めて触れた結空の唇は、

とても柔らかく、

初めて覚える感覚だった。



突然のことに、

私は目を丸くし、

顔を火照らせる。
< 30 / 166 >

この作品をシェア

pagetop