この恋に名前をつけるなら
付き合ってから四ヶ月が経ち、

もう10月になっていた。



部活が終わり、

薄暗くなった道を一緒に帰る。


二人は毎日のように一緒に帰っていた。



俺はバス停まで結空を自転車の後ろに乗せ、自転車を走らせる。



近くから川の流れる音が聞こえ、

草花が茂っていた。



「ねーーもっとスピードだしてよ」


結空は後ろから俺の顔を覗き、言った。



「え?なんでよ」



「いいから。早く早くーー」



「たくっ……しょうがねえな」


俺は面倒くさがりながら、

力いっぱいペダルを漕いだ。


自転車は小さく横に揺れる。



「ふふ、きゃあ!」


スピードが上がると、

結空は大きい悲鳴を上げた。



「はは、落ちても知らねえからな」


俺は驚いた結空を見て、面白がる。

髪を靡かせ、爽やかな風を楽しんだ。



「ちょっと!もういい。ふふ、きゃあ」


結空は落ちないように、

後ろから俺を抱きしめていた。


背中から伝わる結空の温もりを愛しく思える。



逆に離れて行くと、寂しさを覚えた。



バス停が近づくにつれ、

ペダルを漕ぐスピードを徐々に緩めていく。
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