この恋に名前をつけるなら
俺は、部屋でくつろいでいた。


俺は着信音に気づき、電話にでる。



「もしもし、どしたーー？」


俺は結空だと思い、

いつも通り電話に出た。



「あっもしもし、結空のお母さんだけど」




「え……あ！こんばんは」


俺は驚き、慌てていた。


なぜ結空のお母さんが電話してきたのか。


考えても答えは見つからない。



「ごめんね。仁くんに聞きたいことがあってね」



「……はい。何でしょうか？」


俺は嫌な予感がしていた。



「仁君の悪い噂を知り合いから聞いたんだけどさ」



「え！悪い噂？」


嫌な予感が的中した。


俺は身に覚えのないことに困惑する。



「二股だったり三股だったり、結空以外にも付き合ってる子がいるって」



「え？！誰がそんなことを？」



「それは言えないわ……どうなの？」



「え！そんな……僕はそんなことしてません！……その噂、嘘ですよ」


俺は嘘の噂が流れていることに、

ショックを受けた。


しかも相手の親に。



深く傷ついた。


誰がこんな嘘をついたのか。


悔しくて腹がたった。




「なによ、私が嘘でもついてると思ってるわけ？親として心配だから聞いてんでしょ！」


結空のお母さんは声を荒げて言った。


結空は自分の母親を睨みつけていた。



「いや……その、本当にしてないんで」


相手の親に怒鳴れ、

俺の頭の中は真っ白になる。



彼女の親に嫌われる……



こんな悲しいこと、

高校生の俺には耐え難い現実だった。
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