この恋に名前をつけるなら
「本当のことなんて私達には言えないんでしょ。もう結空をこれ以上傷つけないでェ!」


結空のお母さんはまた俺に怒り口調で叱った。



「もうやめてェええ!」


私はお母さんから携帯電話を奪い、

電話を切る。


私の目から涙がこぼれ落ち、

走って部屋に戻って行った。



心配そうに見つめるお父さん。



私は仁くんを怖がらせてしまったことを悔やむ。



「ちょっと言いすぎたんじゃないか」


正利は千里に尋ねる。



「なによ、親として当然のことをしただけじゃない」



「そ、そうだけど……結空は辛いだろうが仕方ないか」


娘の涙に落ち込む正利。



「そうよ。悪いのは私達じゃないんだから。仁って奴が悪いの!」


千里は不適な笑みを浮かべる。
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