この恋に名前をつけるなら
放課後、

俺達は部活があるため、

体育館にいた。


俺と結空は部活で顔を合わせていたが、

目を合わす事すらできない。


二人から気まずさが伝わってくる。




練習が始まる前に海斗が動き出す。


遥ちゃんのもとにかけより、

何やら話しをしている。


普段、

話さない二人が話しをしているのに、

違和感を覚えた。



海斗は話し終わると、

何食わぬ顔で戻ってきた。



「よーし、出るぞーー!」


海斗は大きな声で周りにいた男子部員を外に出していった。



「すいません。少しだけ時間下さい!」


遥ちゃんも女子部員の先輩や同級生を外に誘導する。



すると、瞬く間に、

バスケ部員達は体育館から姿を消した。



この日は、

バスケ部員しか居らず

、静まり返る体育館。


俺は周りを見渡すと、

体育館の中で結空と二人っきりになっていた。



戸惑いを隠せずにいた二人から、

気まずさが伝わってくる。



「結空!頑張れーー!」


遥ちゃんが大きな声で叫び、鼓舞する。


二人はそれを聞き、

話さないといけない空気に……



俺は結空のもとにゆっくりと近づいた。
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