この恋に名前をつけるなら
6月、私は仁くんの部屋に居た。
ベットの上で、プリクラシールを見る二人。
いつしか数えきれないほどのプリクラシールの枚数だった。
「この仁君、変顔してるーー」
大量のプリクラシールを眺めながら、笑い合う二人。
「この結空なんて俺の変顔より酷いぞ」
仁くんは私を揶揄う。
「ちょっと!なによそれーー」
仁くんの肩を強く叩き、戯れ合う。
立て掛けてあるカレンダーには、6月6日のところに記念日と書かれていた。
まさに、今日は6月6日。
仁くんは部活を引退し、受験勉強に追われていた。
「俺さ……広島の大学行くわ」
仁くんは突如、自分の進路を私に告げる。
「え!そっか……じゃあ遠距離になるね」
「うん。結空はどうするのか決めてるの?」
「うーん?私は就職するかなーー」
私は浮かない顔をする。
「就職?やりたいこととかないの?」
「うーん?やりたいことより一人暮らしがしたいかな?」
「え!一人暮らし?就職じゃなくても専門とか行ったら一人暮らしできんじゃん」
仁くんに言われるが、私は首を横に振った。
「就職しないと一人暮らしできないよ」
私の口調が強くなり、続けて話した。