この恋に名前をつけるなら
放課後、俺は結空と一緒に帰っていた。



というより、久しぶりに結空と逢う。


結空は俺の所に来て、

真っ先に飛びついてきた。

結空を抱き抱え、熱い抱擁。



「おめでとう。ホントすごいね」


結空は一緒に喜んでくれた。



「いや……まさかAO入試で受かると思わなかったからさ!それに先生なんて『落ちるから希望捨てなさい』って言うんだぜ……普通言う?自信なくなっちゃったよ」


俺は安堵する。



「頑張ってきたのが報われたんだよ」


私はホッとする。



「うん。確かに頑張った。これからはたくさん会えるね」


俺は嬉しそうに結空を見つめた。



「ホントだよ。寂しくて死んじゃうとこだったんだから」


私は仁くんの腕に手を回し、微笑む。



二人は会う頻度が増え、幸せそうだった。


笑いあう二人。



だが、

















それも長くは続いてくれなかった……
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