この恋に名前をつけるなら
クリスマスの日に二人はイルミネーションを見に、国営備北丘陵公園に居た。
約140万球のLED電球を使用したイルミネーションと、光る大型アトラクション。
ノスタルジックでレトロな園内で光と音に包まれながら、幻想的な世界に魅了されていた。
「うわーーすげぇ!」
「ホント!何時間でも見ていられるね?」
栞ちゃんは俺の腕にくっ付き、満面の笑みを浮かべる。
二人は写真を撮るのに夢中だった。
すると、夜空に花火が打ち上がる。
夜空に映し出された満開の花火と幻想的な世界がマッチしていて美しい。
「綺麗!」
栞ちゃんは花火を見るや、思わず口にしていた。
「だね。ホント来て正解だったわ」
「うん。こんな綺麗なもの、仁くんと一緒に見れて良かった」
「俺も!来年も再来年もまた栞と見たいな」
いつしか名前も呼び捨てで呼んでいた。
それもそうか、気づけば……
俺は三年生になり、栞は4年生。
付き合ってから1年3ヶ月が経っていた。
「ふふ、だね!約束だよ」
二人は小指を繋ぎ、約束をする。
本当にまた見れたら幸せだね。
幻想的な世界に包まれ、俺と栞は時間の許す限り、園内を楽しんだ。