この恋に名前をつけるなら
あの日の真実
2016年5月。
俺は大学卒業後、
地元である松江に戻り、就職する。
今日は仕事が休みで、
部屋で海斗と電話をしていた。
「それでさ、松本さんがお前のこと紹介してくれって言っててさ。今度、会ってみてくんね?」
海斗は俺に尋ねた。
海斗も松江で就職し、俺と良く会っていた。
「はあ?いやだわ。めんどいし」
俺は嫌な顔をする。
もう恋愛は懲り懲りだった。
「いいじゃん。知ってる奴で彼女いないのお前ぐらいだし。頼む」
「はぁ……たくっ、しょうがねえな。会うだけだからな」
「サンキュー。また今度、松本さんの写真見してやるよ。結構美人だからビビるぜ」
「はいよ。それより今日6時からだっけ?」
「おう。莉緒も来るはずだから」
「了解、じゃあ、また夜な」
「おう。じゃあな」
俺達は電話を切る。
夜から海斗達と居酒屋で飲む約束をしていた。
俺は割れたスマホをふと見つめる。
もう変え時だろうか。
新しい携帯電話に変えるため、
近くの携帯ショップに向かうことにした。