私の幸せな身籠り結婚


「は、……!?」


七海さんの綺麗な顔がドアップで俺の前に現れる。押し倒されて、る……!?


「颯霞さぁん~……わたし~、颯霞さんとほぉんとうに結婚したいんですう……。でもぉー、リリー様とぉ、ノア様がぁ……それを許して……くれ、な……ですぅ……」


ま、まさか七海さん……酔ってしまってる!?

でもいつお酒なんかを、……。

あ、もしかしてあれ…か?


七海さんが飲んでいたお酒らしきもの。容器が普通のものとは違っていたからそこで気づくべきだった……!


しかもリリー様とかノア様とか一体誰のことを言っているんだ……?

まさか、七海さんの御両親、……とかか?


でも、そうなると一つの疑問が浮かんでくる。


それは、この縁談自体、七海さんの御両親と俺の両親の意見が一致したからこその政略結婚だったのだ。


今はお互い相思相愛になって、幸せに結婚できる未来があるというのに、あちら側がこちらとの縁談を拒んでいるのだとしたら……?

< 43 / 143 >

この作品をシェア

pagetop