私の幸せな身籠り結婚
俺は眠っている七海さんを自分の方へ抱き寄せて、その柔らかそうな七海さんの唇に、自分のものを重ねる。
舌を入れると、七海さんの舌が自分の舌に絡みついてくる。口づけがどんどん深くなっていき、七海さんは苦しそうに眉を顰める。
「ん、颯霞さん……?んんぅ、……ん、苦し」
「あ、起きましたか……。先程言っていたことは、一体何のことですか?」
寝起きの七海さんは、いつもの可憐さが消え、可愛さが倍に増していたが、俺は今、それどころじゃない。
「……?何の、ことですか」
もしかして覚えていないのだろうか。
だけど、よくよく考えてみると自分が寝ている間に言っていた寝言など、覚えている者の方が常人ではない。
でも七海さんは、いつも抜かりない完璧な人だ。夢の内容くらい、覚えているだろう。
「リリー様やノア様という人たちのことです。先程、そう呟いていました」
俺は端的にそう言う。すると、七海さんからは予想外の反応が返ってきた。真っ白で綺麗な顔がどんどん真っ青になっていくのだ。何事だ、と思った。