私の幸せな身籠り結婚
「俺は、自分のせいで七海さんのお体に障ってしまうのではないかと考えただけで、やはりどうしようもなく怖いのです。
……だから、俺たちが寝床をともにするのは、お互いがまた元気になってから。そうするのはどうでしょうか?」
颯霞さんはそう言って、ふわっと百合の花が咲いたようにして笑った。どこからか鈴の音のような軽やかな音が聞こえ、私は衝動的に、颯霞さんの唇を奪っていた。
「………っ!?」
本当に、無意識だった。私は深く深く颯霞さんの唇に自分のものを押し付け、ゆっくりと瞳を閉じた。
颯霞さんも最初こそ驚いていたものの、私と同じように瞳を閉じて、深いキスに応えた。
「んっ、……ぁ、んんぅ」
「…っ、七海、さん」
熱すぎる吐息が交わり、顔を離してもすぐに塞がれる唇。いつの間にか立場は逆転し、私は颯霞さんに押し倒されるようにして、覆い被さられていた。
この昼間のことは、決してなかったことになど出来ない。私は少し、熱にうなされて酔っていただけだ。
だから、普段は自分からはしないようなキスも、自分からしたのだ。
……だから、こんなことになってしまったのは、熱のせい。颯霞さんも熱で気がおかしくなって、あんなにも激しく求めてきただけだ。