私の幸せな身籠り結婚


「颯霞さん、いよいよですね」

「はい。七海さんは緊張しておられますか?」

「いえ、久しぶりの夜狩に胸が高鳴っていて、むしろ楽しみです」


私の返答に、颯霞さんが「ははっ」と眉をしかめておかしそうに笑った。


昼間に私が真っ二つに切り裂いてしまった颯霞さんの刀は新しい物に取り替えられ、その威力も強度も増している。


「七海さんらしくて素敵です」

「私らしい、とは……?」


私の問い掛けに颯霞さんは不思議そうに首を傾げて、「そのままの意味ですよ?」と言った。


だけど私には、あまりその言葉の意味が理解出来なかった。私は他人からどんな風に見られているのか。


そんなことは当の昔から完璧に理解してきたし、自分の言動次第で何かが変わってしまうのを恐れ、いつも計算高い人間でいた。


「んん、良く分かりません。私にもそういう、“らしい”ところが果たしてあるのでしょうか……?」


私の問い掛けに、颯霞さんの不思議そうにしていた顔が困惑気味の表情に変わる。

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