私の担当医。


「じゃあもっかい聞く。名前は?」

優しすぎる声。落ち着く声

「北村 すず」
無意識に答えていた。

「すず、こっち向いて」

え、、、呼び捨て。

「こっち向いて」

ドキドキしながら橘先生の顔を見た。

「すず、何歳?」

「24」

「いつから腎臓悪い?」

「...」

「薬飲んでる?」

質問攻めにあってるけど声が優しくてなんだか医者ということを忘れそうだった


橘先生が何も言わない私に追い討ちをかけるように話し始めた


「今日帰す条件は2つ、
①俺が今から聞く質問は全部答える

②明日の朝、必ずここにくる。」

「...」

「帰るんだろ?」

「帰りたい」

「じゃあ2つの条件をのめ。
あと俺と約束して欲しいことがある。
俺はすずを信じる。しんどくない!と言われればそれを信じる。痛くない!と言われれば信じる。だから嘘だけはつくな。しんどいのにしんどくないと言われてしまったら正確な治療ができない。そうなると信じることができなくなる。全て疑いから入るしかない。それは嫌だ。俺はすずを信じたい。だから嘘だけはつくな、わかったか?」

「...」

「わかったか?」

「うん」


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