私の担当医。
16.恋敵
誰とも会話しないまま
昼前になった。
部屋が急に騒がしくなった。
「やだやだ!入院しない!!!」
看「検査入院で2日だから、ね?」
「いやだー。橘先生よんでよー」
海斗の患者さんなのか。
うるさいけど私もこんな感じなのかな
ご迷惑。
「私、橘先生じゃないと何もしないからー!!!」
海斗の名前を聞きたくないのと
うるさくて頭が割れそうで部屋を出ようとした。
ベッドを降りてカーテンを開けるとばったり海斗にあってしまった。
今日初めて顔を合わせた。
きっと私に用事じゃない。
入院してきた子に用事でしょ
すぐ目をそらして部屋を出ようとした。
「待てよ」
手を掴まれた。
「やめて。」
手を振り払った
「あっ、橘先生〜!!!
萌(もえ)会いたかった〜
寂しかった〜」
勢いよく海斗に抱きついた。
びっくりして振り向いてしまったが
満更でもない海斗の態度に腹が立って部屋を出た。