私の担当医。

中にいた海斗が少し怒ってる気がする。
目を合わせてくれない。

真「なんかあったら呼んでください。」

真由さんが部屋をでたった。
待って...
2人きりは気まずいよ

「自分でベッドに移れる?」

「...うん」

声はそこまで怒ってない
一安心。

「酸素マスクして横になって
俺がいいっていうまで動くな。
いつもと身体の調子おかしいところ全部教えて」

「...」

医者モード全開の海斗。怖い。
慣れたとはいえ医者は怖いし治療もきらい


「嘘ついたら部屋には戻さない。
全部おしえろ」

部屋に戻りたい。
病室はもう嫌だ。


「少し背中が痛い。呼吸がしにくい。熱がしんどい。トイレが近い。頭痛い。」

「わかった。あとはない?」

「今のところは。」

「わかった。とりあえず呼吸を楽にして熱を下げるのが第一優先かな。全部点滴から薬いれる。
点滴の針は刺さってるからこのまま薬入れるだけ。

今、よくなるか悪くなるか瀬戸際ってところ。なるべく今晩は俺の部屋に戻したい。だから今は動かず治療うけろ、わかった?」

「...はい」

「俺はすずしか興味ない。院長の息子ってことがあって女が寄ってくることが多い。でも俺はお前だけしかみてないし眼中にない。人の言葉で一喜一憂するな。」


「だって...不安だから」

「何が不安なの?」

「捨てられたらどうしようとか...
病気治すためだけに付き合ってるのかなとか」


「そんな不安、一切いらない。俺はすずが大好きだ。だから今は病気治すことに集中しろ。治ったらやりたいこと全部俺がやらせてやる。
だから逃げるな、走るな、閉じこもるな。」


「...」

「次、女子トイレにこもったら許さない。俺らが入れないところわざわざ選びやがって。」

「...ごめんなさい」

「点滴取りに行ってくるから寝とけ」

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