私の担当医。
準備をしたものの私はなかなか病院に行く決心がつかず橘先生に電話をした。
「もしもし」
『どした?』
「行けない、家から出れない」
『それは体調が悪くて?それとも気持ち的なもんで?』
昨日みたいな息切れは出ていないし体調もそこまで悪くない。
きっと「気持ち的なもんで」
『じゃあ今から迎えに行くから近くのコンビニの位置情報おくって待ってて』
それだけを言って電話を切った
私に有無を言わさないところが少し強引だけど従わざるを得ない状況作りが上手
昨日も本当に何もしなかった
言ったことはちゃんと守ってくれる
少し考えたあとコンビニの位置情報を送って合流した。
「おまたせ」
「ごめんなさい」
「ん?なにが?ちゃんと電話してきたじゃん、何もいうことないけど。
無理だったら無理でいい、連絡さえくれれば迎えにだってこれるしゆっくりでいい。
今日のすずは100点」
そういうとにっこり笑って頭を撫でてくれた。
それからの車内では病気のことを全く聞こうともせず
たわいもない会話が続いた。
今の若者は何が流行っているのか
歌は何聴くのか
橘先生の高級車の値段当てなど
どーでもいい会話ばっかり
あっというまに病院に着いた。
車を昨日と同じところに停めると今日も従業員用の入り口から入った
なにも言わずスタスタ歩いてく橘先生の後をついていく。
「はぁ...」
昨日の外来の診察室についた。
「どうぞ。」
診察室のドアを開けてくれた
診察室に入って椅子に座ると
病院感が一気にでて気分が悪くなる
「まず胸の音聞かせて、少し服あげれる?」
聴診器を耳につけて待機してる橘先生
その瞬間、フラッシュバックしてしまった
今までの病院でされた嫌なこと
少し忘れかけてこと全て思い出した
あっやばい
医者、診察室、聴診器、消毒の匂い
「むり、、、怖い」