私の担当医。
「すず、話がある、布団から出てきて。
いま俺しかいない」
「...なに?」
布団から顔を出した
「このあとの予定を言っておく。
今日は検尿だけだしてきて欲しい
痛くもなんともないだろ。自分のトイレのタイミングでいいから。ここにカップおいとくな」
「あとはさっき抜いた点滴をもっかい入れる。今のすずに大事な薬なんだ。」
「やだ」
「どうして点滴がそんなに嫌?自分で抜いちゃうくらい嫌なのはわかったけど理由は?」
「答えたくない」
「教えてくれないと先に進まない。
言いたくないなら言わなくていいけど今すぐ必要な点滴だからしないとダメ」
「だから嫌だ」
「じゃあ理由を話せ、イヤイヤだけじゃ伝わらない。理由がわかればなんとかしてあげれるかもしれない。」
「...」
「散歩がてら車椅子で病院一周しよう」
ここは4人部屋でカーテン一つで区切られてる
私たちの会話も丸聞こえ
それを気にしての提案なんだろう
飲み物も買いに行きたかったし
ちょうどいいや
「歩いて行きたい」
「車椅子。」
車椅子で部屋を出た