私の担当医。



橘先生と2人きり。
もっと最悪の空気


私は泣いてるし橘先生は怒ってるし

「すず、泣き止んで。
いまこの状態で喘息出ると大変だから。」

声がいつもの優しい声に戻っていた

つい聞いてしまった
「もう怒ってない?」

「俺は何で怒ってたのかわかる?」

「検査から逃げたから」

「違うよ
逃げたことには怒ってない。もちろん嫌な検査なのはわかるし6年も病院行かなかったのに検査入院もしてよく頑張ってると思う。
でも電話に出ないとか嘘をつくとかそういうことの積み重ねで信用信頼をなくす。
電話である程度すずの体調や様子がわかるようになってきた。
だからとっても必要なことなの。さっきも走って逃げたから喘息の発作出てないかとかの確認で声を聞きたかった。出なかったら様子わかんねぇし危険を察知できない。」

「...ごめんなさい」

「最初にした約束、もう一回確認しよう。
俺の電話にでる。全てにおいて嘘をつかない。その2つ。たった2つ。守れ」

「うん」

「よし、この話終わり。
ちゃんと検査して偉かったな、明日退院。寿司行こうな」

頭ぽんぽんして手で私の涙を拭ってくれた。
いつもの先生に戻った。
安心してまた涙で出てきた

オンオフがしっかりしててやっぱドキドキしてしまう。
こんな感情初めてだった

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