そして消えゆく君の声
二度目の会話
噂をすればなんとやら。
放課後、一人で帰り道を歩いていた私は先生と間違えそうなカッチリした声に後ろから呼び止められた。
「そこの女子生徒」
氷のような語調に肩がビクッとなったのは、右手にコンビニで買ったお菓子を持っていたから。
冷静に考えればそんなことで怒られるはずがないのだけど、つい身構えてしまうほどよく通る厳格な声だった。
立ち止まっておそるおそる振り返る、と。
「少し話がある。付いてきてくれないか」
アスファルトに伸びた長い影。フレームの細い銀縁メガネが、強い西日を反射している。
そう、声の主は昼間雪乃と話題にした黒崎要さんだった。
鋭い視線によどみない口調、飾り気のない革鞄から綺麗に磨かれた靴に至るまで、真面目が服を着て歩いているみたいだ。
あの中身を見た私でさえ背筋を伸ばしてしまうほどの威圧感がある。
「は、話って何でしょうか」
「追って説明する」
「でも、あの」
放課後、一人で帰り道を歩いていた私は先生と間違えそうなカッチリした声に後ろから呼び止められた。
「そこの女子生徒」
氷のような語調に肩がビクッとなったのは、右手にコンビニで買ったお菓子を持っていたから。
冷静に考えればそんなことで怒られるはずがないのだけど、つい身構えてしまうほどよく通る厳格な声だった。
立ち止まっておそるおそる振り返る、と。
「少し話がある。付いてきてくれないか」
アスファルトに伸びた長い影。フレームの細い銀縁メガネが、強い西日を反射している。
そう、声の主は昼間雪乃と話題にした黒崎要さんだった。
鋭い視線によどみない口調、飾り気のない革鞄から綺麗に磨かれた靴に至るまで、真面目が服を着て歩いているみたいだ。
あの中身を見た私でさえ背筋を伸ばしてしまうほどの威圧感がある。
「は、話って何でしょうか」
「追って説明する」
「でも、あの」