そして消えゆく君の声
こんなのずるい。
誠実じゃない。
黒崎くんに向き合ってほしいなら、自分も今目の前にあることに向き合わないと。
(そうでないと、黒崎くんに口出しする資格なんてない)
誠実でありたい。
まっすぐでありたい。
逃げながら前に進もうとしたところで、黒崎くんは心を開いてくれないだろう。
休み時間、いつの間にか空になった机を見ながら私はぎゅっと手を握りしめた。
その表情が、はたから見たら怖かったのかもしれない。ふいに後ろから肩を叩かれて、
「また難しい顔してんの?」
振りかえると、お弁当箱を持った雪乃が心配そうに眉を寄せていた。
「雪乃」
「お昼食べよ、朝食べる時間なかったからお腹減ってんの」
「今、昼休みだっけ?」
「なに言ってんの、周り見なさい」
呆れた声に周囲を見回すと、みんな机をくっつけてご飯を広げたり食堂へ向かったりしている。
……考えごとに夢中で、全然気付かなかった。
誠実じゃない。
黒崎くんに向き合ってほしいなら、自分も今目の前にあることに向き合わないと。
(そうでないと、黒崎くんに口出しする資格なんてない)
誠実でありたい。
まっすぐでありたい。
逃げながら前に進もうとしたところで、黒崎くんは心を開いてくれないだろう。
休み時間、いつの間にか空になった机を見ながら私はぎゅっと手を握りしめた。
その表情が、はたから見たら怖かったのかもしれない。ふいに後ろから肩を叩かれて、
「また難しい顔してんの?」
振りかえると、お弁当箱を持った雪乃が心配そうに眉を寄せていた。
「雪乃」
「お昼食べよ、朝食べる時間なかったからお腹減ってんの」
「今、昼休みだっけ?」
「なに言ってんの、周り見なさい」
呆れた声に周囲を見回すと、みんな机をくっつけてご飯を広げたり食堂へ向かったりしている。
……考えごとに夢中で、全然気付かなかった。