そして消えゆく君の声
「……っ」
深い意味なんてなかった。ただ、ちゃんと話がしたくて。
相当勇気を振りしぼったけど、それでも自分の行動力に驚いてしまう。
黒崎くんも同じだったのだろう。夜目にぼんやり浮き上がる黒い目は困惑に満ちていた。
「何……」
「橋口くん、ずっと黒崎くんのこと話してたよ。心配してた。来られないんだとしても、一言くらい言えば良かったんじゃないの」
黒崎くんの顔色が変わる。
どこか狼狽えたような表情から、見るからに不愉快そうな眼差しへと。
「日原には関係ないだろ」
「関係なくていい、お節介でいいから、聞いて」
ぎゅっと掴んだ大きな手。
骨のごつごつした指は、血が通っていないように冷たかった。そんなはずがないのに。
深い意味なんてなかった。ただ、ちゃんと話がしたくて。
相当勇気を振りしぼったけど、それでも自分の行動力に驚いてしまう。
黒崎くんも同じだったのだろう。夜目にぼんやり浮き上がる黒い目は困惑に満ちていた。
「何……」
「橋口くん、ずっと黒崎くんのこと話してたよ。心配してた。来られないんだとしても、一言くらい言えば良かったんじゃないの」
黒崎くんの顔色が変わる。
どこか狼狽えたような表情から、見るからに不愉快そうな眼差しへと。
「日原には関係ないだろ」
「関係なくていい、お節介でいいから、聞いて」
ぎゅっと掴んだ大きな手。
骨のごつごつした指は、血が通っていないように冷たかった。そんなはずがないのに。