私が本物の令嬢です!
3年前から屋根裏部屋に押しやられ、使用人として扱われているフローラ。
フローラが使っていた綺麗な部屋は後妻の娘マギーのものとなった。
それまで令嬢だったフローラは使用人として伯爵家の家事を行っている。
財政難に陥っている伯爵家には多くの使用人を雇うことができず、フローラはこき使われているのだった。
伯爵は後妻とその娘のマギーを溺愛した。
フローラはその様子を見て苦しんだが、3年も経つと心も乾いた。
そんなときに訪れたセオドアとの結婚話。
フローラは喜びに満ちたが、伯爵はマギーを代わりに嫁がせると言ったのだ。
「お父さま、どうかお考え直しくださいませ! フローラは私です。公爵さまと幼い頃にお約束したのです。どうか、私を彼のもとへ……」
「黙りなさい! 娼婦の娘が!」
伯爵はフローラの頬を引っ叩いた。
叩かれた衝撃で、フローラは床に倒れる。
そのとき、部屋に後妻とマギーが入室した。