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5、魔法師は不信感を抱く【グレン視点】
魔法師グレンはナスカ家の周辺をうろついていた。
ナスカ家について調べてみると、最近魔法師が訪れたという事実がわかった。
あくまで想像に過ぎなかったが、やはりナスカ家には何かがある。
家族に身体の弱い者がいて、医師の力ではどうにもならないときに、魔法師が呼ばれることがある。
だが、それは非常に珍しいことである。
この国は魔法師が多くいるが、正式に国王陛下から認定された者と、闇の呪術師とが存在する。
呪術師は正式な魔法師ほどの実力を持たず、違法で人々に呪いをかける者。
その代わり安価であるため、隠れて呼び寄せる人々もいるらしい。
もちろん違法であり、それを行った者たちは術師も客も罰せられる。
「きな臭いなあ、ナスカ家」
とグレンは訝しむ。
というのも、この家は昔、魔法師と問題事を起こしている。