私が本物の令嬢です!
7、ようやく通じた想い
魔法師グレンの屋敷の中で、客用の部屋にフローラはセオドアとふたりきりになった。
グレンが気を利かせてふたりで話すようにと言ってくれたからだ。
フローラは緊張しながらも、目の前のセオドアと向き合うことができて嬉しく、涙が止まらなかった。
「俺はずっと、君と会いたかった」
セオドアはフローラの名前を呼ぶことなく、そっと近づいて手を伸ばした。
「君と再会したとき、どれほど質素な衣服を身につけていても、君のオーラを感じていた。俺の頭がおかしくなったのかと思ったが、やはり間違ってはいなかったんだね」
フローラは自分の頬を撫でるセオドアの手が温かくて心地よく、目を閉じて微笑んだ。
セオドアはそっと、フローラの涙を拭う。
「君はどんな姿をしていても、君だ。誰も偽ることなどできない」
フローラはハッとして顔を上げる。