私が本物の令嬢です!

「明日は公爵さまがうちに来ることになっている。お前はフローラとして接するのだ。間違えるんじゃないぞ」
「わかっているわ、お父さま。今日から私がフローラよ」

 そんなことを言うマギーに対し、フローラは怒りの抗議をする。


「やめて! フローラは私よ! 私の名前なの!」
「ああ、うるさいな。呪術師はまだか?」

 フローラはどきりとした。


 使用人がやって来て、黒いフードを被った人物が入室した。
 それを見た伯爵はにやりと笑った。


「ああ、待っていたよ。さあ、早く。この女に呪いをかけてくれ」
「呪い!? 」

 近づいてくる呪術師からフローラが逃げようとすると、使用人たちに手をつかまれ、床にうつ伏せに押しつけられた。


「いやっ! 離して!」

 必死に暴れたが身動きできず、呪術師に頭をつかまれた瞬間、フローラは雷に打たれたような衝撃を受けた。


「きゃあああああっ!!!」


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