私が本物の令嬢です!

 すべて、フローラが仕組んだこと。
 実はマギーが隠れて違法煙草(ヘドニラ)を吸っていることを知っていた。
 マギーは森に覆われた屋敷の外の水路で、自分だとバレないように毎日フードを被ってこっそり吸っていたのである。

 マギーとフローラは髪と瞳の色が同じ。
 先輩使用人はマギーをフローラと勘違いしたのだろう。
 彼女ならマギーに必ず嫌がらせをするだろうと思っていた。
 それを利用したのだった。


 先輩使用人は持ち金すべてを没収され、ぼろ衣を着せられて屋敷を追い出された。
 本来であれば令嬢殺害未遂で逮捕される案件だろうが、伯爵がそれを揉み消したのだった。

 使用人を差し出せば、娘である令嬢が違法煙草(ヘドニラ)を吸っていたこともバレる。
 そうなると公爵家との婚姻が破談になる。
 それだけは避けたかったのだろう。


 まずは、先輩を着の身着のままで追い出せた。
 邪魔者がいなくなったので、これで動きやすくなる。
 本当はもっと痛めつけたかった。
 フローラがされたことに比べたら軽いものだ。

 しかし、先輩など雑魚に過ぎないから。
 これでいい。


 本当の相手はあなたよ、マギー。



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