私が本物の令嬢です!
違法煙草はその効能が凄まじく、吸えば魂が解放されるほどの快楽を得ることができる。
昔はそれを男女の営みで使われることが多かったが、多用すると精神が崩壊し、獣のように暴れ狂う狂人になり得るのだ。
それゆえ、前国王陛下の時代に禁止されてしまった。
というのは表向きで、材料の草が減少したため、大変貴重なものとなり、主に王族が適量を使用するために独占しているというわけだ。
それでも、貴族のあいだでは闇取引で流通しているのが現状である。
「お父さまが公爵さまになかなか会わせてくれないから苛立ちが爆発したのですわ。だったらもう、お酒に頼るしかありませんわね。お父さまはおわかりかしら? 私が公爵家に嫁がなくなればこの家がどうなるのか。すべてはこの私にかかっているのよ。お父さまは身の程を知るべきだわ!」
マギーは憤慨し、八つ当たりぎみに言い捨てる。
すると、伯爵は怒りが爆発したのか手を振り上げた。
「わがままは許さんぞ!」
伯爵はマギーの頬を引っ叩いた。