私が本物の令嬢です!
伯爵が取り乱しながら大声を上げるので、マギーも夫人も驚愕の表情で黙る。
「あ、あなた……?」
と夫人が声をかける。
「これは一体、どういうことかね? ナスカ伯爵」
「こんな騒ぎを起こすなんて、公爵家に何か不満でもおありなのかしら?」
公爵家の面々は不信感を抱いた目で伯爵たちを見つめている。
「わ、私は何も知らん! この者の言ったことも、この者のことも知らんことだ!」
伯爵は慌てふためきながら周囲をきょろきょろ見まわしている。
そばで見ている夫人はふらりとよろけて侍従に支えられた。
マギーは、意味がわからずに放心状態だ。
何なの!?
私の幸せを邪魔するものは何!?
パーティの主役は私なのに!!!