私が本物の令嬢です!
周囲がざわつく中、グレンは会場の扉の近くに控える侍従に合図を送り、扉を開けてもらった。
そこには淡いブルーの生地に光り輝く宝石を散りばめたドレスを着たフローラの姿があった。
金髪碧眼。ナスカ令嬢として立っているマギーよりもずっと、美しい金髪に、吸い込まれるほどの碧い瞳。
「私がお答えいたしますわ」
フローラの凛とした声が会場内に響き、人々がまたざわめき出した。
「誰なんだ? あの令嬢は」
「ナスカ令嬢そっくりじゃないか」
「ナスカ令嬢より美しいわ」
「これは一体、どうなっているんだ?」
グレンはにやりと笑いながら「本番はここからだ」と呟いた。