私が本物の令嬢です!

12、私が本物です


 婚約パーティを潰して伯爵家と呪術師の悪事を暴露する。
 そんな計画をセオドアとグレンから聞いたフローラははじめのうちこそ躊躇していた。
 公爵家に多大な迷惑をかけてしまうだろうから。
 しかし、セオドアは自分が公爵としてすべての責任を取ると言った。


「どうしてそこまで、してくださるのですか?」
 とフローラが訊ねると、セオドアは言った。

「ほんの少しの禍根も残ってはならない。徹底的に排除したいんだ。君との未来のために」

 フローラは静かに涙を流した。
 セオドアとの未来を、もう一度夢見ることができることの喜びを。


 だから、今日。
 フローラは覚悟を持って、マギーの晴れ舞台を潰しにやって来た。
 パーティ会場に入ると、公爵家の人々と父と継母、そしてマギーの姿を見つめた。



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