おいらんっ道中らナイス!
 『幼き子が 残した風景』



 君が何度も何度も
  ボールを投げ

 まだそんな小さいのに
  上手いといくら手を叩いても

 首を振り
  また何度も何度も



 とうとう十本総てたおせたとき
  君は駆けてき

 手を軽く合わせるとおもいきや
  ぎゅうっと握って離さない


 その指先から
  それまでの緊張と

 感動と歓びが
  ながれこんできた



 それからの君はよく笑った
  やったあ やったあと

 自分にも
  ほかの子にも

 ようく口を動かし
  身体を動かし

 たまにはほっとしたように
  気付くと膝に座りもし



 いつか。



 切り取ったこの僅かな時間
  その総てを返してあげよう

 君が

 自信をもてなくなったとき
  ひとりぼっちを感じたとき

 いちばんの君の親友に
  なってくれるから

 君自身が
  君の親友だからね



 それまで預かっておくから
  大切にしまっておくよ


 いつでも
  渡せるように





XXX7.11.24

X:30AM
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