おいらんっ道中らナイス!
情愛
「読んでしまえばきっと



貴女と、父との繋がりは。

より一層

確かな。



揺るぎないものに、なる。

その分、

僕と貴女との関係が。



不確かなものになるような



気がして



恐いんです!



貴女がっ

父との想い出を、整理するため

一人きりの時間を



選んでしまう事が怖いんです!





僕を一人ここへっ

残してゆかないで下さい!

父を尊敬しています!



でもっ。

僕は

若くて。



師事さえする事の

出来なかった

親不孝者で!」





ぽろぽろと、涙を溢し始めた、

僕ちゃんを。

忍はただ黙って。



真剣にみつめていた。





「今となっては

こんなとき、気の利いた言葉を

小気味よく並べられるだろう。

作家という人達に

憎しみすら覚えてしまう!





僕に時間をくださいっ



もう少し付き合って下さい!!」





僕ちゃんは涙を溢れさせながら

続けた。





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