おいらんっ道中らナイス!
「今の僕じゃ、

死んでも尚!

貴女に書かせ



また次へと押し出す事のできる

父に

到底適わないっ!





でなかったら!!



すべてを辞退したと、このまま



立ち去ってください!



僕は

世界一の卑怯者です!!

父が僕に託した信頼が苦しいっ」





僕ちゃんは



あとは黙って

通帳を握り締めたまま

顔も上げずに泣いていた。





その様子を、しばらく見、

忍は



やっと、口を開いた。





「あたしだって

僕ちゃんに居て貰わなきゃ困る」





「うんと、

あたしは

僕ちゃんのように

ヴァイオリンが、

弾けません。



そうして



なかなかペンが進まなくなった

時。

僕ちゃんのヴァイオリンの音に



助けられました。」





それが、今日の結果です、

と。

忍は言った。



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