MARIONETTE
だいぶ見慣れた校舎に入ろうとしたとき


ギュッ



「ん?」


握られた方を見るとうつむいた男の子がいた。



「どうしたの?」


となりにいるはずの私がいないことに気づいた瑠実が振り返った。


「あれ?璃央って弟いた?」


私とその子は手を握っていたから間違うのも無理はない。


「違うよ。突然」


驚いている私を見て信じたようだ。


瑠実が私の方に戻ってきた。






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