推し作家様、連載中につき。
ふたりのヒミツ
ここ最近、私は気になっていることがある。
それは、親友のようすが少しおかしいことだ。
「うーかーちゃんっ」
「うわっ……びっくりした…!!」
ほら、今も。
背中から覗き込むようにすれば、スッと隠されてしまう。
「ねえ、なんで隠すの!?」
「なんでも」
「誰と連絡とってるの?もしかして彼氏?」
野暮だということは分かっていた。
けれど、長い間一緒にいるのだ。
これまで隠し事なんてしたことなかったし、されたこともなかった。
羽花ちゃんに初めて彼氏ができたときだって、羽花ちゃんは隠すことなく私に教えてくれたのだ。
ここまではっきりと分かるような隠し事は初めてなので、なんだかもやもやとした感情が己を支配する。
「違うよ」
素早く鞄にしまわれた媒体は、いったいどこの誰と繋がっているのだろう。