推し作家様、連載中につき。
「まさかまさか! 私みたいなやつが水谷くんみたいな風変わりな美形天才くんと付き合えるわけがないでしょう」
「今の言葉聞く感じ、印象はわりとよさそうだけどね」
ふーんと微妙な表情で納得したらしい羽花ちゃんは、ふとグラウンドに視線を遣って「あ」と声を上げた。
「なになに?」
「ほら、いるよ。水谷くん」
ピッと羽花ちゃんが指差した方を辿ると、ちょうどボールを蹴ろうとしている水谷くんがいた。
ゴール目掛けて蹴られたボールは綺麗な軌道でまっすぐにゴールに飛んでいき、ネットを揺らす。
遠目から見てもうっとりするほど滑らかなその動きは、たぶん近くで見たらより魅力的に見えるのだろう。