推し作家様、連載中につき。
「とりあえず教科書出して。教えるから」
はーい、と間のびした返事をして、鞄から教科書を取り出そうと試みたのだけど。
「あれ、荷物が多くて……ちょっと待って羽花ちゃん」
ゴソゴソと漁って、ようやく取り出せた教科書……と。
「ん、なにこれ」
私は重大なミスを犯してしまったのだ。
ヒラッと机に着地した紙切れを羽花ちゃんが拾う。
随分時間があいたせいで、私もすっかり忘れていたのだ。
その存在を。
眉を寄せて、不思議そうに紙に目を通す羽花ちゃん。
机に物を置いてふうっと息をついた私は、そこでようやく"その紙"が過去に拾った"プロットらしきもの"であることに気がついた。
「ま、まままって、まってだめそれはっ」
親友の手から慌てて紙をさらう。
けれど、時すでに遅し。