シンデレラ・ウェディング
皆が声がしたリビングの入り口へと顔を向ける。
そこに立っていたのは、鏑木さんだった。
「なによ鏑木。何かあるの?」
お姉ちゃんは怪訝な顔をしてその場に立ち直った。
「逢生様、こちらへどうぞ」
あおさま・・・・・・?
何が何だかわからないまま、スッと横に避けた鏑木さんを見つめた。
誰か来てるの?
そう思った時、玄関の方から現れたのは、背が高くてかっこいい王子様みたいな人だった。
モデルさんみたい・・・誰だろう・・・
どこかで見たことあるような・・・・・・
なぜか、ずっと目が合っている気がする。
え・・・わたし・・・・・・?
そんなことを思っていると彼が優しく笑った。
「久しぶりだね、莉央」
っ!
名前を呼ばれてビクッと体が揺れた。
「もしかして忘れちゃった?迎えに来るから待っててって言ったでしょ?」
え・・・・・・
頭がぐるぐると回転しだす。
もしかして・・・
「あおくん・・・・・・?」
やっとの思いでその名を口にすると、彼は嬉しそうに破顔した。