シンデレラ・ウェディング


「そのドレスから離れてくれますか?箱を勝手に開けたこと自体許せませんが」


びっくりするくらい冷たい声で言い放ったのは目の前にいるあおくんだった。


「え?」


「さぁ、お下がりください」


ポカンとするお姉ちゃんを鏑木さんが押し退ける。


「ちょっと!なんなのよ鏑木!これは充くんが私にプレゼントしてくれたものよ!ねぇ!充くん!」


ちょっとヒステリック気味にお姉ちゃんは充さんに訴える。


「有紗、やめてくれ・・・」


充さんの顔は青ざめていた。


「さっきから何をおっしゃっているのですか?このドレスは私が莉央へ贈ったものです。ふざけるのも大概にしていただきたい」


あおくんは私には見せたこともない冷たい表情と声でそう言い放った。


「なっ・・・だってブルーティアーズって充くんの会社から・・・」


「へぇ・・・。いつからうちは君の会社になったのかな?」


「っ!申し訳ありませんっ社長!誤解なんです!」


充さんが慌てて頭を下げた。

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