シンデレラ・ウェディング
「新居・・・?」
「そう。僕たちの家だよ。その前にちょっと寄りたいところがあるんだ」
理解が追いつかないまま、嵐のように事が進んでいく。
「ちょっと!待ちなさいよ!莉央をどこへ連れて行くのよ!私たちの家族よ!」
お姉ちゃんがヒステリックに叫んだ。
それを聞いて、ピタっとあおくんが立ち止まる。
振り向いたあおくんの顔は恐ろしいくらい冷たい笑顔だった。
「家族・・・・・・よくそんな言葉を口にできましたね。あなたたちには怒りを通り越して呆れましたよ。・・・この13年間、あなたたちが莉央にしてきたことを私が知らないとでも?金輪際、莉央には関わらないでくれ。もし、莉央の前に現れてみろ、その時は法的措置をとる。いいですね?」
お姉ちゃんとお母さんの顔は青ざめている。
「それから、そこの君。うちの社員なのかな?」
「は、はいっ」
充さんが慌てて返事をした。