シンデレラ・ウェディング
「え、ちょっと・・・充くん、企画部部長なんでしょ?社長に知られてないの?」
お姉ちゃんは充さんの腕を掴んだ。
「企画部部長ね・・・。私は全社員の名前までは把握できていませんが、直接関わる上層部の名前は全て把握している。企画部部長は君ではないはずだけど?」
「佐々木充さん。企画部に所属されている一社員ですね。欠勤することも多く、勤務態度はあまりよろしくないようです」
鏑木さんがつらつらと言ってのけた。
「なるほど。あなたはうちの社には相応しくないようだ。それはあなたが一番わかっていますよね?」
充さんは頭を下げて俯いたまま、何も言葉を発せずにいた。
「ちょっと・・・なにそれ!嘘だったの!?私を騙したの!?」
お姉ちゃんは充さんの腕を掴み揺さぶっている。