シンデレラ・ウェディング
王子様のプロポーズ
あおくんに手を引かれてやって来たのは、あの約束をした公園だった。
「懐かしいね・・・」
あおくんは目を細めて辺りを見渡した。
「私はたまに来てたよ」
ここは思い出の場所だから、たまに絵本を持って来てここで読んだりしていたんだ。
あおくんは私と向かい合わせで立ち、手は繋いだまま優しい目で私を見下ろす。
近くでまじまじと見ると本当に整った顔をしているあおくん。
目も髪色も変わらずキラキラしていて、本当に王子様みたいで、思わず見惚れてしまう。
公園には私たち二人しかいなくて、暑い日差しに照らされているけれど、心地良い風がそよそよと吹いていた。
「莉央、話したいことはたくさんあるんだ。でも、先に言わせて欲しい。・・・黒田莉央さん、オレと結婚してくれませんか?」
「えっ・・・」
「オレは、アメリカに行くって決まった時、莉央のことが好きだって気づいたんだ。だからアメリカに渡る前に子どもながらプロポーズした。莉央のことは必ず、誰よりもオレが幸せにする。だいぶ待たせたけど、もう誰にも文句は言わせない。だから絵本の王子様みたいに、オレを莉央の王子様にしてくれませんか?」
「あおくん・・・」
どうしよう・・・・・・嬉しい。
ずっと、ずっと待ってた。
本当に迎えに来てくれたんだ・・・
でも・・・・・・私でいいのかな・・・