シンデレラ・ウェディング
鏑木さんがそう言ったタイミングで目の前の扉が開き、笑顔で拍手をしてくれているあおくんのご両親、そしてあおくんの姿が目に入った。
オールホワイトで統一されたタキシードを着こなすあおくんは、正真正銘の王子様だ。
鏑木さんとバージンロードをゆっくりと進んでいく。
あおくんの前まで来ると、あおくんと鏑木さんが握手を交わした。
「鏑木、僕からも礼を言うよ。今まで、莉央のことを見守ってくれて本当にありがとう」
その言葉を聞いてジーンっと目頭が熱くなる。
どうしよう、泣きそうだ。
「莉央さんのこと、よろしくお願い致します」
「もちろん。莉央はもう僕のものだからね」
ニコッと笑って言ったあおくんだったが、鏑木さんは何かを感じとったらしく、私に小さくウインクをした。
?どうかしたのかな?
ウインクの意味はわからないけれど、今この瞬間、信じられないくらい幸せなことには変わりない。
絵本で夢見た光景が、目の前に広がっている。
「莉央、世界一幸せにする。莉央のお父さんとお母さん、それから、莉央に誓うよ」
自然光が降り注ぐ壮大なチャペルで、私たちは誓いの言葉を立て、晴れて夫婦となった。