シンデレラ・ウェディング
blue tears
挙式を終えてブライズルームに戻ってくると、タキシード姿のままのあおくんがやってきた。
「着替えはもう少しあとにしてもらったよ。まだドレス姿の莉央を堪能したいんだ。いいかな?こっちで乾杯しよう」
あおくんに手を引かれ、ゆったりとしたソファに二人で腰掛ける。
タイミングよくシャンパンとアラカルトが運ばれてきて、ローテーブルに準備をしてくれた。
ふたりで乾杯すると、初めてのシャンパンを口に含んだ。
飲めるか心配だったけど、スッキリとした甘さですごく飲みやすかった。
「莉央、いつも可愛いけど今日は一段と可愛いよ。すごい綺麗だし、鏑木には妬いちゃったな」
「えっ、鏑木さんに?」
「うん。莉央に触れるのは、鏑木でも許せない。まぁ、今回は多めにみるけどね。莉央の頼みだし」
・・・すごい。鏑木さんが言ってたことが当たってた。
ウインクもこのことだったのかな・・・?
「ありがとう、あおくん。私もかっこいいあおくんを独り占めできて嬉しいよ」
そんなことを思ってしまうくらい、欲張りになっている自分にちょっと驚いている。
「あーーもう。そんな可愛いこと言って、オレをどうする気?ここで襲われてもいいの?」
「えぇっ・・・!そんなつもりじゃ・・・」
「ハハッ、大丈夫。ちゃんと夜まで我慢するよ。ねぇ莉央、ちょっと手出して、目閉じて」
??
なんだろうと思ったけど、素直に応じた。
差し出した右手にシャランと何かが乗せられる。