シンデレラ・ウェディング
「目、開けていいよ」
「・・・え、これ・・・」
目を開けると、右手に乗っていたのは私が昔、あおくんに渡した青い雫のモチーフがついたネックレスだった。
「これね、うちの物だったんだよ。元NATSUMEの時に購入された物みたい」
「えっ、そうなの・・・?」
「うん。莉央のお母さんがうちのお得意様だったんだ。莉央から貰ったこのネックレスが、うちの物だってわかった時、運命だって思ったよ」
「そうだったんだ・・・・・・ずっと持っててくれたんだね」
「もちろん。これは莉央の大切な物だし、ちゃんと返そうと思っていたから。このネックレスにはいつもパワーを貰ったよ。どんなにきつい時でもこれを見て頑張れたんだ。絶対に莉央を迎えに行くんだって・・・。オレを信じてくれてありがとう。これからは莉央が側にいてくれるから、これは莉央に返すね」
「あおくん・・・・・・ありがとうっ」
気づいたら涙が溢れていた。
両親がいなくなってからのこと、あおくんに出会えた時のこと、それから今日までのこと。
色んな思いが胸を駆け巡る。
あおくんがハンカチで優しく涙を拭き取ってくれた。
「久しぶりに莉央の涙見た。昔は泣き虫莉央だったもんね」
そう言ってあおくんは優しく笑う。